お久しぶりです
お久しぶりです。約一か月もの間苦行をしたにもかかわらず課題消化が終わらないので結局試作すら手を付けられていないanpeaです。
本当に1月開けちゃいましたね…
さて、今回更新したのは新たに作れそうなものが出来たからです。やったね(完成するとは言っていない)
作れそうなものとは、溶接機です。
溶接って危なそうって思ってるそこのあなた。そうです。危ないです。
というのも、一般的な溶接と言ったらガスを使ったり配線をしたりと、手間がかかるうえにゴーグルをしないと目がやられるほど眩しく光ったりして手軽には手を出せないからですね。
しかしその煩雑な手順と安全管理を高度には要求しない溶接方法があるんです。それがスポット溶接というやつです。
溶接の原理は至って簡単です。大電流を流してジュール熱で溶接…要するに大きな電流による発熱で溶接するだけなのですから。
まずは基本的な話からしましょう。といってもところどころ正確ではない表現を挟むこともありますが…それは置いておくとして。
回路に電流を流す際に、多くの場合抵抗で電力を消費します。冷蔵庫も洗濯機も、何かしらの仕事をする際に電力を消費しています。その際電流が大量に流れすぎるとどうなるでしょうか?
ところで話が微妙に変わりますが、タコ足配線は何故してはいけないのでしょうか?
それは延長コード等の許容電流量…つまるところ、これ以上流すと安全ではないですよという上限を突破してしまうことにより発熱し、火事に至るため非常に危険であるため、してはいけないことだとされているのです。だからこそブレーカー等で制限してやることで安全を確保しているわけですね。
察しがいい方はもうやることが分かったのではないでしょうか。
そうです。大きな電流を流しすぎると発熱してしまうのです。スポット溶接ではこれを利用します。
意図的に大電流を流すことによって対象を融点まで加熱するというわけです。
大電流を流すと危ないって言ったじゃん!大丈夫なの?と思われるでしょう。
実は比較的安全なんです。電圧が低い場合に限り、という注釈は必要ですが。
というのも、電圧が低い場合は、簡単に言うと進む力が弱いのです。
で〇じろう先生とかがやってるテスラコイル…バチバチバチって電気が流れるあれです。TVとかで見たことあるという人も多いのではないでしょうか?
あれは非常に電圧が高い為普通なら電気が通りにくい空気中もズンズン進んでいけるので離れた場所まで電気が飛んでるというわけです。つまり、逆に電圧が非常に低ければあんなに飛ばないともいえるわけです。
もしそんな高電圧でかつ大電流が流れるというならば、それは人工の雷そのものといってもいいでしょう。食らうと死ねます。
正確には深刻な損傷を受ける可能性が高いという方がいいのかもしれませんが…まぁ基本的に死に等しいでしょう。心臓に数十mAの電流が流れるだけで人間の心臓は止まるといいますので、大電流により機能停止、もしくはそれを通り越して黒焦げになってしまうかもしれませんね。
ただし、電圧が低ければそんな心配はしなくてもよいといってもいいでしょう。使い方さえ間違わなければ高電圧より非常に安全です。
さて、長い閑話はさておきまして、低い電圧の大きな電流を流すことで溶接をする機械が作れそうという話です。
回路の原理をお話しします…と言いたいところなのですが、実は回路の構成が出来ているわけではないのです。作れそうなので解説しただけですごめんね
とはいえ作れそうというぐらいですから、アプローチの手法自体は既に考えてあるんです。
ゴリ押し戦法は3つほど想定しています
1.IHの回路を流用
2.トランスごと自作し溶接
3.素直に別の手段で溶接
…はい。3に至ってはスポット溶接すらしようとしてないですね……
一応それぞれについて解説を。
1.IHの回路を流用
これはそのまんまですね。IHの回路についてはまだ解説していないのですが、それは後々詳しくやるとして、簡単な説明をします。
昇圧チョッパという回路を発展させたソフトスイッチング回路…通称ZVS回路を流用するという手法です。
ZVS回路はコイルガンとかレールガンを作ろうとして回路を調べたことがある人なら目にしたことがあるんじゃないでしょうか。LC共振という現象を利用して大きな電流を流す回路です。Lとはリアクタンス、Cとはコンデンサ、つまりコイルとコンデンサを共振させるという意味ですね。LC並列回路にて起こる共振は、大きな電流が流れます。
そしてそのLC並列回路の両端を2つの昇圧チョッパ回路の出力につなぎコンデンサを充電することでLC共振を繰り返し起こす…そんながZVS回路と呼ばれる回路です。
大電流が流れるので、コイルとコンデンサの間に対象を挟めばいいんじゃね?という非常に雑な発想ですね。
2.トランスごと自作し溶接
これもそのまんま…というか脳筋です。
家庭用電源からトランスを用いて低電圧大電流を持続的に生み出し長時間の大電流による熱で溶接するという手法です。
ここでトランスについて説明していきます。
トランスとは、電磁誘導を用い電圧と電流を変える部品のことです。USB電源やゲーム機、携帯、電子レンジ、ブルーレイレコーダー…そういったものには大きさは違えどほぼ必ず入っている部品なのです。大きなものは非常に重いのですが…それがよくわかる例があるのです。
スーパーファミコンのACアダプター…あれ、結構重くなかったですか?え?SFCなんて持ってない?そっかぁ……
境目は大体2000年前後でしょうかね…1990年代以前のACアダプタは大体重かったんです。大体500gくらいあったんじゃないでしょうか。それが2000年台あたりから比較的軽くなってきたんです。下手したら半分以下の重さになってたりすると思います。
重さの大きな違い。それは、内部構造の違いからくるものです。内部構造の中で最も大きな違いは、トランスの大きさにあるといえるでしょう。実はバラしたことがないので断言できるわけじゃないんですよね…
今のアダプターは大体トランジスタや半導体素子を使うことで小型軽量化しているのですが、昔はAC100V電源から直接電圧を変えていたのでトランスが大きく、それ故に重かったというわけです。
余談はさておき、トランスは、鉄の芯の周りに2つのコイルを形成するように導線を巻き付けることで一方のコイルにだけ電流を流した際に発生する磁力を極力漏らさずにもう一方のコイルに伝え、電圧を変化させるという部品です。この時、交流電圧…つまり、電圧が変化する場合のみトランスが作動します。なので、電池をトランスにつないでも何も出力されません。また、電力自体は変わらないので、100Vから10Vに電圧を変換すると、100V1Aだったら10V10Aになります。現実ではロスが出るのでそこまできれいにはいかないんですがね…
そして、その際に元の電源と出力の電圧の比は巻き数によって決まります。
この電圧の変換の際、トランスの大きさによっては磁気が飽和してしまうため、鉄芯で磁気を閉じ込めておけなくなり効率がものすごく悪くなってしまうのです。
それを避けるために重く、太い銅線をたくさん巻いた巨大なトランスを必要とするのですがそんなものは売っていません。
なのでトランスから作ってしまい、大電流を長く流して大きなものも溶接できるようにしちゃおう!というわけです。
問題点は金属加工なので曲げ加工が面倒といった点ですかね…バイス買わないと……
3.別の手段で溶接
めんどくせぇ!俺はこうやるぜ!!!!!と別の手段で代用ができないというわけではないんですよね…
スポット溶接をしたい理由が、対象自身が溶けるため、別の金属で溶接するときに乗りやすくする為のフラックスを塗る必要がないので食品が触れても安心という理由だけなんですよね…ならフラックス無しでくっつければいいじゃんというわけですよ。IHで溶かした金属を直接ぬったくるとか……ただ、こっちのほうが早いですがこっちのほうが危険度が高いんです。溶融した金属の運搬が必須ですからね。だから出来るだけ避けたい手段なのです。
っと3つの手法を全部紹介してるだけで3000字超えちゃいました…長すぎると読んでもらえなそうなので、この辺で切り上げておくことにします。
次回は多分IH試作に入ると思います。
買ったものはリストアップしておくので丸パクだけで作れますねきっと。調理用なので頑張って出力出さないとあれが…おっとネタバレするところでした……
試作時のテスト次第ですが調理用なので目標があります。目標達成できる出力目指して頑張りますね
というわけで、また次回。ではでは~
<追伸>
今回、画像が一枚も出てきませんでした。にもかかわらず長文になってしまったので、読みづらいと感じる方もいると思います。この部分わからん!画像くれ!!という方がいらっしゃいましたらコメントしていただけると対応できると思います。